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構造生物学:融合前のHIV-1 Env三量体の構造と免疫認識
Nature 514, 7523 doi: 10.1038/nature13808
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のエンベロープ(Env)と呼ばれるスパイクは、HIV-1の宿主細胞への侵入をコンホメーション変化により促進する機械として働いている。これは、gp120サブユニットとgp41サブユニット各3個からなり、侵入の際にはリガンドの結合していない成熟状態から、宿主受容体に結合した中間体を経て、融合後の状態へと構造再編成を起こす。Envは、HIV-1ウイルス粒子表面の唯一のウイルス抗原として中和抗体の標的であり、また、ワクチン開発努力の中心となっている。今回我々は、HIV-1 Env三量体の成熟して閉じた状態を2種類の抗体PGT122と35O22により捕捉して得た3.5 Å分解能での構造を報告する。この構造により、gp41の融合前のコンホメーションが明らかになり、融合活性化に必要な再編成が示され、免疫回避と免疫認識の条件が明らかになった。融合前のgp41は、gp120のアミノ末端とカルボキシ末端のストランドを4本のヘリックスで取り囲み、これが膜近傍の襟状の構造となっており、この輪状構造は融合ペプチドの近位メチオニンを留め具となるgp41のトリプトファンへ挿入することにより閉じられている。侵入の際には、この留め具を開き、両末端を放出するというスパイク再編成が必要になる。融合前の閉じたスパイクは、N結合型糖鎖の結合と配列可変領域によって覆われている。我々はHIV-1慢性感染患者コホートを用いて、有効なHIV-1中和応答の広がりと位置をマッピングした。こうした応答はN結合型糖鎖の認識とエピトープ配列変化に対する耐性により区別される。

