遺伝:グリーンランド人に多いTBC1D4多様体は筋肉のインスリン抵抗性および2型糖尿病に寄与する
Nature 512, 7513 doi: 10.1038/nature13425
グリーンランド人集団は、約5万7000人の住民からなる歴史的に隔離された小規模な創始者集団であり、過去25年の間に2型糖尿病(T2D)有病率の大幅な上昇を1度経験している。このことに触発された我々は、糖尿病にまだ罹患していない最大2575人のグリーンランド人を対象として、T2Dに関連する量的形質の関連マッピングを行った。アレイに基づく遺伝子型解析およびエキソーム配列解読により、遺伝子TBC1D4に、対立遺伝子頻度17%のp.Arg684Terのナンセンス多様体(アルギニンが終止コドンに置換)が見つかった。今回我々は、この多様体のホモ接合保有者では、それ以外の遺伝子型の被験者(ホモ接合非保有者およびヘテロ接合保有者の両方)に比べて、経口グルコース負荷から2時間後の血漿グルコース濃度がβ = 3.8 mmol l−1、P = 2.5×10−35、血清インスリン濃度がβ = 165 pmol l−1、P = 1.5×10−20と著しく高いことを明らかにする。さらに、この多様体のホモ接合保有者は、空腹時血漿グルコース濃度がβ = −0.18 mmol l−1、P = 1.1×10−6、空腹時血清インスリン濃度がβ = −8.3 pmol l−1、P = 0.0014とわずかに低く、T2Dリスクが著しく高い[オッズ比(OR) = 10.3、P = 1.6×10−24]。ヘテロ接合保有者は非保有者と比べて、経口グルコース負荷から2時間後の血漿グルコース濃度がいくぶん高かった(β = 0.43 mmol l−1、P = 5.3×10−5)。骨格筋生検の結果、p.Arg684Ter対立遺伝子の数が多いほど、TBC1D4の長いアイソフォームのメッセンジャーRNAおよびタンパク質の量が少なく、骨格筋中のグルコース輸送体GLUT4の量も少ないことが明らかになった。これらの知見は、筋肉でのインスリンに促進されるグルコース取り込みの大幅な低下を伴っており、食後高血糖、耐糖能障害およびT2Dにつながる。今回観察された影響は、この種の形質の大規模な全ゲノム関連研究でこれまでに得られたあらゆる知見の数倍の大きさであり、大規模な同質集団という従来の枠組みを離れて遺伝的関連研究を実施することの有用性をさらに実証するものである。

