Letter
神経科学:現時点および将来の青年期アルコール乱用者の神経心理社会学的側面
Nature 512, 7513 doi: 10.1038/nature13402
アルコール乱用の原因を包括的に説明するには、個人の生物学的、心理学的、環境的差異を考慮し、原因と影響を分けて考える必要がある。動物モデルでは、神経毒性物質の影響を実証できるが、物質の使用開始から乱用への進行に関わる心理社会的要因や高度な認知的要因については、わずかな手がかりしか得られない。非乱用者である血縁者でエンドフェノタイプのバイオマーカーを調べることにより、既存のリスク因子を探すこともできるが、こういった血縁者の性格、あるいは神経的なレジリアンス(回復能力)因子によって、依存の発生が防がれている可能性もある。縦断的研究は、青年期物質乱用の予測因子を明らかにするための有望な研究方法である。特に、広範囲にわたる候補原因因子に関して、近接のものも遠隔のものも対象とし、さまざまな社会的、心理学的、生物学的機構に与えるそれらの影響を考慮できればさらによい。今回我々は、多数の青年期被験者(n = 692)由来の幅広いデータに機械学習を適用し、脳の構造と機能、個人の性格および認知能力の差異、環境因子(妊娠期間中のタバコおよびアルコールへの曝露を含む)、生活経験、候補遺伝子を取り入れた、現時点および将来的な青年期アルコール乱用のモデルを作成した。これらのモデルは正確で、新しいデータにも適用でき、生活経験、神経生物学的差異、性格が大量飲酒の重要な予兆であることが示された。アルコール乱用の個人差の原因となる脆弱因子を明らかにすることにより、これらのモデルはアルコール乱用の原因解明のヒントとなり、乱用防止の標的を示唆する。

