Letter

細胞:in vivoでのライブ画像化によって単一幹細胞レベルで明らかにされた腸陰窩恒常性

Nature 507, 7492 doi: 10.1038/nature12972

哺乳類の腸上皮の急速な細胞交代は、腸陰窩の底部周辺に位置する幹細胞によって支えられている。腸幹細胞は、Lgr5マーカーに加えて、腸陰窩の底部領域内に不均一に発現する他のマーカーとも関連している。これまでの量的なクローン運命解析から、分裂する幹細胞間の中立的競合の結果、恒常性が生じるという考え方が導かれている。しかし、この陰窩底部区画内の異なる場所に位置する個々のLgr5+細胞の短期的なふるまいは解明されていない。本論文では、Lgr5-Confettiマウスの連続的生体内画像化という新しい手法を用いて、腸幹細胞の短期的な動態を明らかにする。我々は、幹細胞ニッチ上部に位置するLgr5+細胞[境界細胞(border cell)とする]は、近接細胞の分裂後に一過性増殖領域に受動的に移動させられることを見いだした。このことは、幹細胞の運命決定は分裂とは切り離されている可能性を示唆している。個々のクローン細胞系譜の量的解析により、陰窩底部の幹細胞[中心細胞(central cell)とする]が、境界の幹細胞より生存上有利であることが分かった。しかし、境界領域と中心領域の間で幹細胞を移動させると、全てのLgr5+細胞が長期の自己複製能を持つようになる。これらの知見は、動的に不均一な細胞集団は単一幹細胞プールとして長期間機能できるという、幹細胞維持に関する新しい理論的枠組みを確立するものである。

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