発生進化学:主竜類進化で起こった指の減少、および選択と制約との相互作用
Nature 500, 7463 doi: 10.1038/nature12336
進化には自然選択と発生的制約との相互作用が関与している。これは例えば、進化の過程で肢から指が失われる場合に見られる。現生主竜類(ワニ類および鳥類)では、異なる選択状況下での指の減少例がいくつか明らかになっており、指の数が1本、2本、3本、4本、あるいは祖先と同じ5本の肢が存在する。場合によっては、「失われた」指が発生上の痕跡として数百万年にわたり存続することもある。今回我々は、指発生の連続した3つの段階のマーカーを用いて、ナイルワニおよび5種の鳥類の指の減少を調べた。異なる選択下にある2つの独立した系統では、翼の第I指とそのマーカーの全てが消失している。対照的に後肢の第V指は、成体の指が消失してから2億5000万年を経た現在でも、調べた全種で、軟骨としてもSox9を発現する前軟骨領域としても残存している。そのため、胚と成体とでは表現型の進化に不一致が存在する。指の数に関係なく、全ての肢でソニックヘッジホッグ(Shh)の類似した発現が見られた。1本指のエミューの翼でも、後縁の遺伝子Hoxd11およびHoxd12の発現は保存されていたが、前縁の遺伝子Gli3およびAlx4の発現は保存されていなかった。我々は、胚での第V指の残存が、制約、特に極性化活性帯(ZPA)と関連する保存された後縁の遺伝子ネットワークを反映しているのではないかと考える。第I指のより急速かつ完全な消失は、この指がZPA非依存的に指定され、従って発生的制約がより弱いことを反映していると考えられる。これらの制約との相互作用が、飛翔や木の枝の把握などの肢機能に関する選択圧となる。このモデルは、四肢類の多様な指減少パターンを説明するのに役立つ可能性がある。本研究はまた、成体にかかる選択がどのようにして発生の変化につながるのかを理解する上でも有用だと考えられる。

