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免疫:T-betの段階的発現は、CCR6RORγt+自然リンパ球の細胞運命と機能を制御する

Nature 494, 7436 doi: 10.1038/nature11813

粘膜表面にある免疫系は、その環境内に常在する非常に多くの抗原に対する炎症性免疫応答は開始してはならないが、腸内の病原体に対しては強力な攻撃を仕掛ける態勢を整えておかねばならない。免疫細胞の機能を恒常的なもの(多くの場合、組織保護的)から、微生物に対する強力な免疫へと切り替えるために必要な転写プログラムや調節因子はほとんど明らかにされていない。粘膜のROR(retinoic-acid-receptor-related orphan receptor)γt+自然リンパ球(ILC)は、腸管感染に対する免疫に必要とされる重要な自然リンパ球の集団であることが明らかになりつつある。RORγt+ ILCについては多様なサブセットが報告されているが、それらの特異化や細胞運命を制御する転写プログラムはおおむね不明である。本論文では、転写因子であるT-betがCCR6RORγt+ ILCという特定の細胞系列の運命を決定することの証拠を示す。出生後に生成するCCR6RORγt+ ILCでは、T-betの発現レベルが上昇しており、これは常在微生物叢からの合図やインターロイキン23(IL-23)によって制御されていた。これとは対照的に、CCR6+RORγt+ ILCは、個体発生のより早い時期から生成するが、T-betを発現していなかった。T-betはインターフェロンγ(IFN-γ)などのT-bet標的遺伝子や、NKp46のようなNK細胞受容体の発現を誘導した。T-betを遺伝学的に欠損させたマウスでは、CCR6RORγt+ ILCの発生は正常だったが、NKp46を発現するRORγt+ ILC[すなわち、IL-22産生ナチュラルキラー(NK-22)細胞]へ分化できず、またIFN-γ産生能も失われていた。T-betを発現しているCCR6RORγt+ ILCによるIFN-γ産生は、サルモネラ菌(Salmonella enterica)感染時の上皮障壁保護に必要な粘液形成性糖タンパク質の放出に必須であった。サルモネラ菌感染は、少なくともその一部がIFN-γによって誘発される重篤な腸炎も引き起こす。T-betを欠損するマウスやILCの数が非常に少ないマウスでは、軽微な腸炎しか起こらなかった。したがって、CCR6RORγt+ ILCでのT-betの段階的な発現が、サルモネラ菌感染に対する上皮障壁保護に必要なIFN-γ産生CCR6RORγt+ ILCの分化を促進する。T-betとRORγtの共発現は、TH17細胞サブセットでも見られ、これは本来的には感染に対する生得的な防御機構の一部として発達した、進化的に保存された転写プログラムと考えられるが、免疫が誘導する病的状態のリスク上昇にも寄与している可能性がある。

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