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構造生物学:不活性化状態と思われる2つの状態にある電位依存性ナトリウムチャネルの結晶構造

Nature 486, 7401 doi: 10.1038/nature11077

興奮性細胞では、電位依存性ナトリウム(NaV)チャネルが活性化して活動電位の発生が開始され、これに続いて速い不活性化と遅い不活性化が起こりイオン透過が終了する。不活性化は、NaVチャネル機能の特徴であり、細胞膜の興奮性制御にきわめて重要であるが、この過程の構造基盤は明らかになっていない。今回我々は、Arcobacter butzleri由来の野生型NaVAbチャネルについて、おそらく不活性化状態と思われる2つの状態でとらえた分解能3.2 Åでの結晶構造を報告する。小孔内面のS6へリックスにシステイン変異を有するNaVAbチャネルについての以前に報告された構造と比べると、S6へリックスと細胞内活性化ゲートに大きな構造再編成が起こっていて、S6へリックス対の1つは小孔の中心軸に向かって崩れ、ほかのS6対は外側に移動し、二量体が2つ集まった目立つ立体構造が形成されている。構造全体の非対称性は、野生型NaVAbチャネルモデルで総体的に増大しており、小孔の細胞外部側の末端にあるイオン選択性フィルター、中心部のキャビティと、そこにある哺乳類薬剤受容体部位に似た残基、および側方にあるポア開口部が新しい形態になっている。電位感知ドメインも、変異チャネルに比べると、野生型NaVAbでは小孔モジュールの外辺に沿って移動していて、NaVチャネルのゲート開閉と不活性化にかかわる、互いに離れた分子決定基を結びつける保存された相互作用ネットワークが、こうした局所的構造変化から明らかになる。これらのおそらく不活性化状態と思われる構造は、NaVチャネルのゲート開閉に関する新たな手がかりを与えるだけでなく、衰弱性のさまざまなNaVチャネル病に対する薬剤の開発と治療法につながる新たな道筋をもたらす。

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