Letter 構造生物学:NaChBac電位依存性ナトリウムチャネルオルソログの結晶構造 2012年6月7日 Nature 486, 7401 doi: 10.1038/nature11054 電位依存性ナトリウム(Nav)チャネルは、神経や筋肉の速い脱分極に必須であり、重要な薬剤標的である。Navチャネルの構造決定は、イオンチャネルの機構を明らかにし、考えられる臨床応用を促進する。細菌のNavチャネルファミリーの、細菌ナトリウムイオン選択チャネル(NaChBac)に代表されるものは、構造・機能解析の有用なモデル系となる。今回我々は、海洋細菌であるalphaproteobacterium HIMB114(Rickettsiales sp. HIMB114、Rhと表記する)由来のNaChBacオルソログであるNavRhの3.05 Å分解能での結晶構造を報告する。このチャネルは非対称な四量体からなる。Thr178とLeu179のカルボニル酸素原子は、カルシウムイオン(結晶構造中では水和している)が存在する選択性フィルター中の内部部位を構成している。ナトリウムイオン選択性フィルターの外側の入り口は、Ser181とGlu183で作られており、小孔の細胞質内側にある活性化ゲートと同様に閉じている。電位センサーは脱分極したコンホメーションをとっていて、ゲーティングにかかわるすべての電荷が細胞外環境に露出している。我々は、NavRhが「不活性化」したコンホメーションにあると考える。NavRhとNavAbとの比較からは、かなり大きなコンホメーション再編成が明らかになり、これは電位依存性チャネルの電気機械共役機構の基盤となっている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る