Letter 細胞:OTUB1を介したユビキチン化阻害の機構 2012年3月29日 Nature 483, 7391 doi: 10.1038/nature10911 DNA二本鎖切断(DSB)が起こるとヒストンがユビキチン化され、修復タンパク質のクロマチンへの動員が促される。UBC13(別名UBE2N)はユビキチン結合酵素(E2)で、UEV1A(別名UBE2V1)とヘテロ二量体を形成し、ユビキチンリガーゼ(E3)であるRNF168と協調してDSB部位にK63連結型ポリユビキチン(K63Ub)鎖を合成する。K63Ubの合成は、UBC13∼Ubチオエステルに選択的に結合する脱ユビキチン酵素OTUB1(OTU domain-containing ubiquitin aldehyde-binding protein 1)によって、非標準的な様式で調節されている。アミノ末端からOTUドメインまでの残基はユビキチン結合にかかわっていることが示されており、UBC13∼Ubへの結合とK63Ub合成の阻害に必要である。今回我々は、OTUB1がUBC13などのE2酵素を阻害する仕組みを解明するために構造および生化学研究を行った。意外なことに、OTUB1のUBC13∼Ubへの結合が遊離のユビキチンによってアロステリックに調節されていることがわかった。遊離のユビキチンはOTUB1の第2の部位に結合し、UBC13∼Ubに対するOTUB1の親和性を上昇させながら、同時にUEV1Aとの結合を破壊するが、それにはOTUB1のN末端が必要である。OTUB1–UBC13複合体の結晶構造、ユビキチンアルデヒドおよびUBC13∼Ub化学的複合体と結合したOTUB1の結晶構造から、OTUB1への遊離のユビキチンの結合によってOTUドメインのコンホメーション変化が引き起こされ、N末端にユビキチン結合ヘリックスが生じ、その結果UBC13∼Ubに結合している供与側ユビキチンのOTUB1への結合が促進されることがわかった。したがって、供与側ユビキチンは、ユビキチンの転移に重要なことが明らかになっているE2酵素と相互作用できなくなる。OTUB1のN末端ヘリックスは、UBC13へのUEV1Aの結合を妨げ、また受容側ユビキチンによるチオエステルへの攻撃をも妨げる位置にあるため、K63Ub合成を阻害する。また、OTUB1の結合もUBC13上のRING E3酵素の結合部位をふさぐため、さらなる阻害要因となる。このような阻害機構の全般的性質から、OTUB1がほかのE2酵素を非標準的様式で阻害する仕組みも説明される。 Full Text PDF 目次へ戻る