りゅうこつ座η星は、天の川銀河中で最大質量を持つ連星系の1つである。この星は19世紀中頃の「大爆発」の際には全天で二番目に明るい星となったが、その後裸眼では見えない程度に暗くなった(裸眼による光度の見積もりのみ)。その爆発は、10年間にわたってエディントン光度限界を超えたという点で、特異なものである。りゅうこつ座η星は、わずか2.3キロパーセクしか離れていないため、星雲を空間的に解像した研究から、放出された質量と速度が絞り込まれ、19世紀の爆発の間に、典型的な重力崩壊型超新星のエネルギーの10パーセントを放出した1回の事象で太陽の10倍以上の質量を放出したが、星の破壊はなかったことが示されている。本論文では、りゅうこつ座η星の1838年から1858年にかけての大爆発からの光エコーの観測について報告する。これらの光エコーのスペクトルは吸収線のみを示し、それらは−210 km s−1だけ青方偏移していて、予測された膨張速度とよく一致する。光エコーのスペクトルは、およそ5,000ケルビンの有効温度を示すG2型からG5型の超巨星のスペクトルと非常に高い相関を示す。りゅうこつ座η星の大爆発に類似していると考えられる種類の銀河系外アウトバーストと比べると、このアウトバーストの有効温度は、標準的な不透明ウィンドモデルによって考えられるものよりも著しく低い。このことは、高エネルギーの爆風のような、他の物理学的機構が爆発を引き起こし、さらに影響を与えた可能性を示している。