Letter 免疫:胸腺外発生した制御性T細胞は粘膜のTH2炎症を調節する 2012年2月16日 Nature 482, 7385 doi: 10.1038/nature10772 微生物や微生物ではない外来物質に常に暴露されている場所である粘膜の接触面での炎症性および抗炎症性機構のバランスは、病原体に対する効果的な防御を可能にしながら、アレルギー、喘息や腸の炎症に関連する有害な炎症性反応を防いでいる。制御性T(Treg)細胞は、全身性および組織特異的自己免疫や粘膜接触面における炎症性病変を防ぐ。この細胞には、胸腺(thymus)で発生するもの(tTreg細胞)と末梢で発生するもの(i(induced)Treg細胞)があり、こうした2つの起源は、免疫恒常性においてtTregとiTreg細胞間に分業があることを示唆している。今回我々は、マウスでのiTreg細胞分化の非常に選択的な阻害は、多臓器自己免疫の自然発症、誘導性の組織特異的自己免疫病態の悪化や1型ヘルパーT (TH1)および1型ヘルパーT (TH17)細胞の炎症性反応の増強という結果には結びつかないことを示す。しかしながらiTreg細胞を欠損するマウスでは、粘膜部位(消化管および肺)にアレルギー性炎症や喘息の特徴を伴う顕著なTH2型病態が自然発症した。さらにiTreg欠損により、腸の微生物集団が変化した。これらの結果は、胸腺で発生したTreg細胞が全身性および組織特異的自己免疫の調節に十分である一方で、Treg細胞の胸腺外分化が共生細菌叢の成り立ちに影響し、また粘膜接触面におけるアレルギー性炎症の抑制に独特で不可欠な機能を担うことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る