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生理:植物での低酸素状態に対する恒常性維持反応は、N末端法則経路によって調節されている

Nature 479, 7373 doi: 10.1038/nature10534

植物と動物は絶対好気性生物で、ミトコンドリア呼吸とエネルギー生産に酸素を必要とする。植物では、根が水浸しになったり葉が冠水したりしたことで引き起こされる酸素供給の思いがけない低下(低酸素状態)によって、遺伝子転写とメッセンジャーRNA翻訳の変化が引き起こされ、これが嫌気的代謝を促進して、それにより基質レベルのATP生産が維持される。動物とは対照的に、植物での酸素の感知は酸素欠乏に応じて起こる遺伝子調節機構にはよらないとされている。今回我々は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)では標的タンパク質分解のためのN末端法則経路が、低酸素状態に応答する重要な転写因子の調節を介して、極度の酸素欠乏を感知する恒常性センサーとして機能することを明らかにする。N末端法則経路の成分が欠失した植物は、重要な低酸素応答遺伝子を構成的に発現し、低酸素ストレスに対する耐性が高いことがわかった。この経路の基質は、シロイヌナズナの低酸素関連エチレン応答因子グループVIIの転写因子であることが突き止められた。N末端法則経路によるこのようなタンパク質の調節は、アミノ末端にあってMet-Cysで始まる保存された特徴的なモチーフを介して行われる。これらのタンパク質の1つであるHRE2の低酸素状態における安定性を高めると低酸素状態での生存が増え、進化上保存されているN末端法則経路による植物の酸素感知の分子機構が明らかになった。また、イネの冠水耐性の重要な決定因子であるSUB1A-1は、N末端モチーフを持つにもかかわらずN末端則経路の基質にはならないことがわかり、この因子はN末端法則経路による調節とは切り離されていることが示された。SUB1の安定性がほかより高いことは、複数の非生物的ストレスに対するSub1イネ品種の優れた耐性と関係があるかもしれない。

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