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工学:ナノリットル異方性試料の、コイル回転による高分解能で高感度のNMR

Nature 447, 7145 doi: 10.1038/nature05897

核磁気共鳴(NMR)は液体や固体の局所構造と動的性質を探ることができるため、現在利用できる最も強力で汎用性の高い分析法の1つとなっている。しかし、NMRは本質的に感度が低いことから、非常に小さい試料(例えば、同位体標識した生体分子や先端材料の研究時にしばしば使われたり、生体試料の高スループットスクリーニングや「ラボオンチップ」研究を行う際に選ばれたりするようなもの)の分析には向かない。NMRの感度は、静止マイクロコイル、代替検出スキーム、前分極などを用いて改善されてきた。しかし、非液体試料から分解能のよいスペクトルを得るのに欠かせない高速試料回転を用いたNMR実験に、これらの戦略を適用することは容易でない。今回我々は、誘導結合により、検出コイルと試料の両方を高速回転させた状態での高周波パルスの無線送信とNMR信号の受信が可能になることを示す。これにより、最適充填因子、高周波場での非常に大きい振幅、試料体積の減少につれて増加する増強感度という特徴をもつNMR測定が可能になる。有機粉末や生体組織のナノリットルサイズの試料で得られるシグナルは、標準的なNMR測定に比べてほぼ1桁向上する(これはシグナル取得が2桁速いことと等価である)。我々の手法によって、放射性物質のように多重安全バリア内に閉じ込める必要のある試料を研究する際にも最適感度が得られる。原理的には、マイクロメートルサイズの検出コイルを試料と同時に回転させ、誘導結合を用いること(我々の手法の核心となる技術)で、分解能のよいスペクトルを得るために機械的な高速回転が必要で質量の限られたどのような試料についても高感度NMR測定を行える。この手法は、市販のNMR装置で簡単に実行でき、小型化による性能改善を示す。そのため我々は、この手法が新規な固体NMR方法論の開発を容易にし、化学および生物試料の高スループット分析に広く利用されることを期待している。

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