Letter 細胞:DNA損傷修復の欠陥のために、加齢に伴って造血幹細胞の機能が制限される 2007年6月7日 Nature 447, 7145 doi: 10.1038/nature05862 組織の恒常性維持能力の減退は、加齢の主要な生理的特徴の1つである。組織の恒常性は幹細胞が調節しているため、予備の幹細胞の枯渇や幹細胞機能の減退が、加齢の一因となると考えられてきた。さらに、DNA損傷の蓄積が、加齢による幹細胞の減少をもたらす基本機構である可能性も示唆されている。我々はこの仮説を検証するために、ヌクレオチド除去修復、テロメアの維持、非相同的末端結合などといった、いくつかのゲノム維持経路に欠陥があるマウスで、造血幹細胞の蓄えや機能の加齢に伴う変化を調べた。本論文では、これらの維持経路に欠陥があっても予備の幹細胞群は加齢によって枯渇しないが、ストレス条件の下では幹細胞の機能が大きく損なわれ、その結果、再構築能および増殖能が失われ、自己複製能が減退し、アポトーシスが増加し、最終的には幹細胞が機能的に疲弊してしまうことを明らかにする。また、野生型の幹細胞でも加齢に伴いDNAの内因的損傷が蓄積するという証拠も示す。今回のデータは、DNA損傷の蓄積が幹細胞加齢の生理的機構であり、これが一因となって、老化した組織では急性のストレスにさらされたり損傷を受けたりした後に恒常性を取り戻す力が衰えるという考え方と一致している。 Full Text PDF 目次へ戻る