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細胞:ショウジョウバエでのRNA干渉スクリーニングにおけるオフターゲット効果の起こる頻度

Nature 443, 7109 doi: 10.1038/nature05179

植物でも動物でも、RNA干渉(RNAi)は長さ約21〜23ヌクレオチドの低分子RNAによって起こり、標的遺伝子との部分的な配列の相補性を介して、遺伝子の発現をさまざまな段階で調節している。広く行われているゲノム塩基配列解読と組み合わせてRNAiを実験に用いることで、対象とする生物の全遺伝子を、特定の機能に着目して系統立てて詳しく調べることができる。しかし、標的との塩基対形成の際に誤対合やギャップが許容されるために、低分子RNAの標的となりうる塩基配列はゲノム中に最高で数百個も存在する場合があり、実際に哺乳類の低分子RNAの中には、意図した標的配列以外に多くのメッセンジャーRNAの量を変化させてしまうものがあることがわかっている。ショウジョウバエで長い二本鎖RNA(dsRNA)を用いると、細胞内でダイサーによってプロセシングを受けて低分子RNAが生じるので、この方法はこれまで、このような「オフターゲット効果」(OTE)の確率を下げると考えられてきた。しかし今回我々は、長いdsRNA中にある短い相同な領域によるOTEが、ショウジョウバエで広くみられることを明らかにする。ショウジョウバエのS2R+細胞でゲノム全体にわたるRNAiスクリーニングを行い、ウィングレス(Wg)シグナル伝達系にかかわる新しい因子を探したが、論理的に候補と考えられるものは、たとえあったとしても、ごくわずかだった。むしろ、有力な候補の多くで認められたWg応答に対する作用は、既知の経路の成分に対するOTEを介したものや、多くのdsRNAや遺伝子に存在する縦列三塩基反復配列によってでたらめに生じるOTEを介したものだった。これまで報告されているスクリーニングにおいて候補として拾われる遺伝子の中に、このような反復配列を含むものが多過ぎることからも、これが偽陽性のよくあるタイプであることが示唆される。今回の結果から、ショウジョウバエやほかの生物で行う、全ゲノムRNAiスクリーニングの信頼性向上のための簡単な基準がいくつか示唆される。

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