2001年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、海水準上昇に対するグリーンランド氷床の寄与は、1990年から2100年にかけて-0.02 m〜+0.09 mとなると推定している。しかし、最近の研究では、氷床は、特に沿岸付近において、気候変動に対してこれまで考えられていたよりも敏速に応答すると考えられるようになった。今回我々は、2002年4月〜2006年4月に行われたGravity Recovery and Climate Experiment(GRACE)衛星による重力調査を用いて、グリーンランド氷床の氷量減少の海水準変化への寄与を独自に見積もった結果を示す。248±36 km3yr-1の氷量減少が認められたが、これは、0.5±0.1 mm yr-1の全球海水準の上昇に相当する。2002年4月〜2004年4月期と2004年5月〜2006年4月期との間で、氷量減少速度は250パーセント増加し、この増加はほとんどすべてがグリーンランド南部での氷量減少速度の加速に起因している。グリーンランド北部での氷量減少速度はほぼ一定であった。グリーンランドでの氷量減少速度の今後の変化の確認には、継続的な監視が必要だろう。