Letter 宇宙:超チャンドラセカール質量の白色矮星に由来するIa型超新星SNLS-03D3bb 2006年9月21日 Nature 443, 7109 doi: 10.1038/nature05103 Ia型超新星の観測からは、宇宙の膨張の加速やダークエネルギーの存在が不可欠であることが推論された。Ia型超新星が、伴星からの物質の降着を受けた炭素と酸素の中心核をもつ白色矮星を破壊する熱核爆発であるとする考えは広く受け入れられているが、この伴星の性質は明らかでない。これらの超新星は、物質量がある基準に達すると一様に爆発が誘起されるため、信頼できる距離指標であると考えられている。つまり、白色矮星の質量が、太陽質量(M ◎)の1.4倍というチャンドラセカール限界質量に近づくと爆発が起こると予想されている。本論文では、高赤方偏移の超新星SNLS-03D3bbが異常に高い光度と低い運動エネルギーをもち、この2つの性質から、SNLS-03D3bbの親星がチャンドラセカール限界質量を超えていたと考えられることを報告する。超チャンドラセカール限界質量をもつ超新星は、若い星集団に選択的に発生しやすいと考えられ、したがってこのことは、過度に明るいIa型超新星が「若い」環境にのみ発生する傾向があるという観測結果に対する説明となるかもしれない。この超新星は、Ia型超新星は較正して標準光源として使えるという関係を満たしておらず、またこの超新星と同じような対応天体が低赤方偏移で発見されていないため、将来の宇宙論研究では、このような現象からの影響がある可能性を考慮すべきであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る