Letter

物理:量子計量用の「デザイナー原子」

Nature 443, 7109 doi: 10.1038/nature05101

量子もつれは、量子計算と量子暗号で重要なリソースになることが認められている。量子計量法でも、量子もつれ状態の利用が検討されており、これがSN比を改善する手段になることが証明されている。また、量子もつれ状態は、効率よく量子状態を検出する実験や散乱長測定実験で使われている。量子情報処理では、量子ビットを1個1個操作すれば、環境の悪影響を受けない特定の状態を目的に合わせて設計することが可能になる。このような「デコヒーレンスのない部分空間(DFS)」は、量子情報を保護し、また、コヒーレンス時間を著しく長くできる。本論文では、特別に設計した量子もつれ状態が存在するDFSを使って、一対のトラップされたCa+イオンの高精度な分光研究が行えることを実証し、このイオンの電気4重極モーメントを決定した。これは、周波数標準として応用できる。量子もつれ状態は周波数測定のS/N比を高くするうえで有用なばかりでなく、適切に設計した原子対は、強い技術的なノイズが存在する場合の原子時計の計測をも可能にすることがわかった。我々の手法は、量子もつれ特性の非局所性を直接に利用しており、「目的に合わせて設計した」量子計量を行う方法になる。

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