Letter 宇宙:小惑星433番エロスで単回の衝突による地震が起こした表面の改変 2005年7月21日 Nature 436, 7049 doi: 10.1038/nature03855 衝突によるクレーター形成は、小さな衛星や小惑星の表面に広範囲にわたる地形を作り出す。観測で見えるクレーターの数は、衝突とともに変化する。また、衝突と競合して表面を改変する内因的過程が存在しないため、若いクレーターがクレーター全体の増減状況にどう影響するかは、小天体の地質学的研究における基本的な問題である。最も詳しく研究されてきた小天体である小惑星433番エロスには、クレーター密度が互いにかなり異なる領域があるが、その理由はいまだに説明されていない。本論文では、比較的若いクレーター(直径7.6 km)が形成されることによって、小惑星のほぼ40%を超える領域で直径0.5 kmほどの大きさの他のクレーターが消失したことを示す。観測されるクレーター消失のパターンは、噴出物による埋没では説明できない。クレーター密度の減少している領域が、小惑星上でこの大きなクレーターの中心から決まった直線距離の内側に限られることから、衝突時に解放された地震エネルギーによって地形が崩壊したものと考えられる。我々の観測結果は、エロスの内部は何キロメートルにもわたって地震エネルギーを伝達するくらい強く固結しており、また小惑星の数十メートルの厚さの外層は比較的結合力の弱い物質から構成されていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る