Letter 医学:エフリンB2は新興の致死性パラミクソウイルスであるニパウイルスの侵入に使われる受容体である 2005年7月21日 Nature 436, 7049 doi: 10.1038/nature03838 ニパウイルス(NiV)は、感染者の70%に及ぶ割合で致死性の脳炎を引き起こす新興パラミクソウイルスで、人から人への伝播が証明されている。NiV感染では、多核巨大内皮細胞からなる内皮細胞合胞体が認められることが多い。この合胞体形成は、エンベロープの融合(F)糖タンパク質と付着(G)糖タンパク質を介して起こる。このウイルスの侵入に使われる受容体が同定されれば、NiV感染の病理生物学的性質が明らかになり、有効な治療法の合理的開発が促進されるだろう。本論文では、EphBクラスの受容体チロシンキナーゼ(RTK)の膜結合型リガンドであるエフリンB2が、NiVの付着(G)糖タンパク質に特異的に結合することを報告する。可溶性のエフリンB2-Fc融合タンパク質は、NiV許容宿主細胞へのNiVの融合と侵入を効果的に阻害したが、エフリンB1-Fc融合タンパク質は阻害しなかった。また、非許容細胞にエフリンB2を導入すると、NiVの融合と侵入を許容するようになった。エフリンB2は内皮細胞とニューロンで発現されており、これはNiVについて判明している細胞親和性とよく一致する。また、微小血管の内皮細胞やラットの初代培養皮層ニューロンに対するNiVのエンベロープタンパク質を介した感染が可溶性エフリンB2で阻害されるが、よく似たエフリンB1では阻害されないことがわかったが、これは重要である。総合すると、これらのデータはエフリンB2がNiVウイルス受容体として機能することを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る