Letter 物理:アト秒領域における電子ダイナミクスの直接観測 2005年7月21日 Nature 436, 7049 doi: 10.1038/nature03833 ダイナミカルな過程は、レーザーポンプ・プローブ実験で研究されることが多い。ポンプパルスにより研究対象となる系を励起し、2番目のパルスでその時間発展をこれらパルス間の遅延時間の関数として追跡する。このような実験で得られる時間分解能はレーザーパルスの時間幅の定義に依存するため、最近実現された200アト秒(1 as=10-18 s)に達するパルス圧縮は有望な成果といえる。これらの超高速パルスはその特性が完全に評価されており、光波そして自由原子の電子緩和の直接測定に使われている。しかし、アト秒パルスは極端紫外とX線の領域のみでしか実現されておらず、一方、複雑系の実験に通常使われる光レーザーパルスは数フェムト秒(1 fs=10-15 s)の間続いてしまう。我々は、超高速の電子移動ダイナミクスをアト秒時間スケールで内殻空孔分光法によりモニターした。超高速の電子移動は、光化学や電気化学における重要な過程であり、固体太陽電池、分子エレクトロニクス、そして、単一電子デバイスにも使われている過程である。内殻電子空孔の寿命を内部参照クロックとして使って動的な過程を追跡する方法を、始状態と終状態が同じ電子殻となる短寿命の空孔に注目して、アト秒領域へと拡張した。その結果、吸着した硫黄原子からルテニウム表面への電子移動が約320 asで進行することを示すことができた。 Full Text PDF 目次へ戻る