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医学:ヒトの腫瘍形成初期における抗癌障壁となっている可能性が高いDNA損傷応答

Nature 434, 7035 doi: 10.1038/nature03482

癌の進化の過程では、初期の腫瘍は「発癌性ストレス」を経験するが、これは癌のような有害な細胞を除去しようとする対抗的な応答を引き起こす。このストレスの性質や、成長の停止や細胞死につながる誘発性の抗癌障壁は解明されていない。今回我々は、ヒトの膀胱、乳房、肺、大腸のさまざまな段階の腫瘍からとった臨床検体を使って、初期の前駆的病変部ではDNA損傷応答が活性化していることを示すマーカー類が共通して発現されているが、正常組織では発現されていないことを示す。発現されているマーカーには、リン酸化されたキナーゼ類ATMとChk2、リン酸化されたヒストンH2AXやp53などがある。培養細胞では、DNA複製を制御できなくするような種々の発癌遺伝子を発現させると、同様なチェックポイント応答が誘導される。ゲノム全域での対立形質の不均衡などといった遺伝的解析とこれらのデータを統合すると、腫瘍形成初期(ゲノムの不安定化や悪性転換以前)のヒト細胞では、ATR/ATMが制御するDNA損傷応答ネットワークが活性化されて、癌の進行を遅らせたり防いだりすると考えられる。ATM-Chk2-p53経路の欠陥などの、このチェックポイントを危うくさせるような変異が、細胞の増殖や生存、ゲノムの不安定性の増大や腫瘍の進行を可能にしているらしい。

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