Letter 神経:脳由来神経栄養因子による神経成長円錐の誘引にTRPCチャネルが果たす不可欠な役割 2005年4月14日 Nature 434, 7035 doi: 10.1038/nature03477 脳由来神経栄養因子(BDNF)は、in vitroでもin vivoでも、ニューロンの生存や分化を促進し、軸索の伸長を方向づけることが知られている。BDNFで誘発される軸索成長円錐の化学的誘引にはCa2+シグナル伝達が必要だが、成長円錐でBDNFがどのようにCa2+を調節しているかはほとんどわかっていない。ラットの橋核ニューロンやアフリカツメガエル(Xenopus)の脊髄ニューロンでは、BDNFを細胞外から与えると、TRPC(transient receptor potential canonical)チャネル電流と類似した膜電流が誘発される。本論文では、培養小脳顆粒細胞で、TRPCチャネルが成長円錐でのBDNF誘発性Ca2+上昇にかかわっており、BDNFが誘導する成長円錐の化学誘引性の方向転換に必要であることを示す。このニューロンにはTRPCファミリーの複数種の分子が盛んに発現しており、TRPCチャネルの薬理学的阻害、TRPC3またはTRPC6の優性ネガティブ変異体の過剰発現、あるいは低分子干渉性RNAを介したTRPC3の発現抑制によって、BDNFが誘発するCa2+の上昇と成長円錐の方向転換はまったく起こらなくなる。したがって、BDNFによる神経成長円錐の誘引には、TRPCチャネルの活動が必須である。 Full Text PDF 目次へ戻る