Letter 細胞:ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害剤によるBRCA2欠損腫瘍の特異的な殺滅 2005年4月14日 Nature 434, 7035 doi: 10.1038/nature03443 ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP1)は、DNA切断部位に結合してDNA修復タンパク質を損傷部位に引き寄せることにより、DNA修復を促進する。それにもかかわらず、PARP1-/-マウスは生存可能で繁殖能力があり、腫瘍が早期に発生することはない。今回我々は、PARP阻害剤がγ-H2AXおよびRAD51フォーカス形成の誘因となることを示す。本論文では、PARP1非存在下では、自然発生的な一本鎖切断が複製フォークを壊し、修復のための相同組換えの引き金となることを提案する。さらに、BRCA2欠損細胞は、相同組換えを起こせないために、PARP阻害剤に対して強い感受性を示すが、これは壊れた複製フォークがもはや修復されないことによると思われる。したがって、相同組換えを欠損するBRCA2変異細胞においては、PARP1活性は必須である。我々はこの必須条件を利用して、PARPの阻害のみによってBRCA2欠損腫瘍を殺滅した。BRCA2+/-の患者の腫瘍(BRCA2-/-である)のみが相同組換えを欠損しているので、PARP阻害剤を用いた治療は、腫瘍特異性がきわめて高いと考えられる。腫瘍を選択的に殺すために、外因性のDNA損傷剤なしで、DNA修復酵素阻害剤のみを単独使用することは、癌治療における新しい考え方といえる。 Full Text PDF 目次へ戻る