Letter 聴覚:有毛細胞のシナプスリボンは同期的聴覚シグナル伝達に必須である 2005年4月14日 Nature 434, 7035 doi: 10.1038/nature03418 聴覚は蝸牛の内有毛細胞(IHC)のリボンシナプスでの忠実なシナプス伝達に依存している。現在、このシナプスのシナプス前リボンの機能についてはほとんど解明されていない。本論文では、シナプス前の足場構造タンパクBassoonに変異が生じたマウスでは、IHCリボンの固定が正しく行われないことを示す。放出活性領域に固定したシナプスリボンがないと、シナプス前の即時放出可能な小胞プールが減少し、また刺激同期性聴覚シグナル伝達も損なわれることが、IHCの電気容量細胞外記録とらせん神経節ニューロンの音刺激活性化からわかった。有毛細胞の放出可能小胞プールからのエキソサイトーシスと、刺激同期的に発火するらせん神経節ニューロンの数は共に、発生段階で正しい位置に固定されたリボンの数と共変動した。興味深いことに、リボンを欠くIHCでも、正常なCa2+依存性をもった持続的エキソサイトーシスを行う能力は保たれていた。リボンを欠くIHCでは、エンドサイトーシスによる膜の取り込みは正常だったが、管状または嚢状の膜構造の蓄積が観察された。これらより、有毛細胞の求心性シナプスで、リボンに依存した複数の小胞の同時的放出が起きることが正常な聴覚に必須だと結論される。 Full Text PDF 目次へ戻る