Letter 工学:カーボンナノチューブにおけるフォノンの電気的な生成と吸収 2004年11月18日 Nature 432, 7015 doi: 10.1038/nature03046 離散的な振動自由度と電子自由度の相互作用は、分子系の化学および物理的性質に直接影響を及ぼす。この相互作用は通常、蛍光、吸収そしてラマン分光法など光学的な方法によって研究されている。分子エレクトロニクスデバイスは、単一分子レベルで振動−電子相互作用を研究する新しい手段になる。例えば、走査型トンネル顕微鏡チップから金属中に注入された電子は、チップと金属の間隙中に置いた分子の振動励起を起こさせる。本論文では、自由に懸垂した1本の単層カーボンナノチューブ中に直接電流を注入して、分子の特定の振動モードを励起、検出、そして制御したことを報告する。ナノチューブ中へ非弾性的にトンネルして入った電子によって動径ブリージングモードの非平衡分布が生じ、その後の電子トンネル現象によってフォノンの誘導放出と誘導吸収の両方が起こる。この効果を利用して、10ナノ秒オーダーのフォノン寿命を測定した。この寿命は、このナノメカニカル振動子の性能指数が10,000以上になることに相当する。 Full Text PDF 目次へ戻る