Letter 生態:種分布の空間パターンから生物多様性の変化が明らかになる 2004年11月18日 Nature 432, 7015 doi: 10.1038/nature03031 地球全体の生物多様性の変化に関する解釈は、世界の多くの地域における、大部分の生物種について過去の生息状態情報がないために進んでいない。今回我々は、占有の空間パターンと分布サイズとを併用することで、現在の種分布のみから増減を導き出せることを示す。減少しつつある種は分布サイズのわりには密度が低くて細分化した分布を示し、絶滅過程を表している。増大しつつある種は、もっと密度が高く、より凝集した分布を示し、定着を表している。英国のチョウにおける過去の分布サイズの変化は、現在の分布からうまく導き出され、以前の分布は将来の変化を予測するのにある程度有効だった。そのうえ、英国のチョウにおける分布パターンと分布変化の間の関係から、ベルギーのフランドル地方のチョウ種についての分布変化が独立して予測できた。また、英国の希少植物種の分布変化も同様に空間分布パターンと関係性がみられる。現在の分布パターンと分布変化の過程とのこの関連性は、さまざまな種が直面する脅威の相対的レベルを評価するのに使える可能性があり、過去の状態や生態の詳しい情報がない地域や分類群についても有効だろう。 Full Text PDF 目次へ戻る