Letter 医学:光受容器の不活性化が遅い患者で見られるRGS9あるいはそのアンカータンパク質R9APの異常 2004年1月1日 Nature 427, 6969 doi: 10.1038/nature02170 RGSタンパク質類はGTPアーゼ活性化タンパク質で、真核生物のさまざまなシグナル情報伝達経路でGタンパク質の不活性化を促進する。RGS9は、桿体と錐体の光伝達カスケードで、Gタンパク質(トランスデューシン)を不活性化する。RGS9を光受容器の膜に止めつけているのが膜貫通型タンパク質R9AP(RGS9アンカータンパク質)で、これによりRGS9の活性は最大で70倍にも上昇する。マウスでは、RGS9が存在しなかったりR9APと結合できなかったりすると、光応答の回復がかなり遅くなる。今回我々は、錐体が関与する突然の輝度変化への適応がうまくできない、血縁関係のない患者5人について、RGS9またはR9APのどちらかの遺伝子に劣性突然変異があることを明らかにした。標準視力は正常あるいはやや劣る程度だが、視野は完全なのにもかかわらず動体視力が著しく低く、特に対比性の低い物体の場合それが著しかったため、我々はこの状態をbradyopsiaと命名した。これらの患者は我々が知る限り、RGS活性の低下に関連する表現型が何らかの臓器に現れたことが判明した、ヒトでの初めての例である。 Full Text PDF 目次へ戻る