Research Press Release
【ナノテクノロジー】マイクロスケールの立体画像
Nature Communications
2014年11月5日
Nanotechnology: Seeing double on the microscale

同じ領域内に2つの異なるフルカラー画像を符号化できるナノスケールのピクセルについての報告が、今週掲載される。この方法は、マイクロスケールのディスプレイ上での3次元画像の生成、そして高密度多重光データ記憶装置の開発への可能性を開くものである。また、将来的にはこの技術が、超高解像度3次元ディスプレイ、ホログラム、偽造防止やステガノグラフィー(データ隠ぺい技術の一種)用の高度な素子といったものの開発につながる可能性もある。
ナノ構造体は、その大きさと形状によって、特定の色に強く応答することが知られている。この特性を利用してカラーフィルターを作製することはすでに行われているが、こうしたフィルターは、通常、偏光の変化に応答しない。今回、Joel Yangたちは、ナノ構造体の形状を楕円や正方形の対に変化させ、その方向を変えることで、2つのフルカラーの画像を重ね合わせられることを明らかにした。これらの画像は、異なる偏光で見ることで解読される。これは、3D映画で用いられる方法とほぼ同じである。また、2つの同じ画像をわずかにずらして符号化することで、3D印画も作成された。
doi:10.1038/ncomms6361
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境:海草藻場が海洋プラスチックの除去を促進するかもしれないScientific Reports
-
惑星科学:水星の収縮の規模はこれまでの推定より小さいのかもしれないCommunications Earth&Environment
-
遺伝学:ダイアウルフは進化的に孤立したために窮地に追い込まれたNature
-
環境:北極域にはポリエステル繊維が広く分布しているNature Communications
-
遺伝学:アルコール摂取と疾患の遺伝的関連の分析に生じる偏りを補正するNature Communications
-
考古学:ヒトが食べ残しの肉をオオカミに与えたことがイヌの家畜化の初期段階に寄与したかもしれないScientific Reports