Research Press Release
クラスターコンピューティングによる脳全体の活動のマッピング
Nature Methods
2014年7月28日
敏しょうなゼブラフィッシュの脳全体の神経活動を細胞レベルで大規模に解析することを可能にするオープンソースのコンピューターツールとイメージング法が、今週号で発表される。その方法は、米国立衛生研究所のBRAINイニシアチブが目指す、極めて大規模な脳活動データセットの簡便で迅速な解析に重大な意味を持つ。
Misha Ahrensたちは、1つのタスクを実行するために多数のネットワーク化されたコンピューターを働かせる分散コンピューティング技術を利用して、脳活動を解析するための使いやすいツールのセットを作製した。この方法論によって、他の手法では何時間もかかるデータセットの解析を、数秒から数分で行うことができる。Ahrensたちは次に、敏しょうなゼブラフィッシュを対象として、この方法を、細胞レベルで脳全体の機能イメージングを行うシステムと組み合わせた。その結果、この種の魚類の脳活動ではこれまで明らかにされていなかったパターンが発見されたという。今回の技術開発により、神経科学者は、脳がどのように機能しているのかに関して、新たな洞察が得られるようになると考えられる。
doi:10.1038/nmeth.3041
doi:10.1038/nmeth.3040
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change