Research Press Release
KITLG遺伝子とブロンドの髪の分子的つながり
Nature Genetics
2014年6月2日
DNAのたった1つの塩基対の違いが、髪の毛の色の違いに影響することが分かった。そして、その塩基対と離れた場所にあるKITLG遺伝子とブロンドの髪との関係が明らかになった。
KITLG遺伝子は、動物とヒトのさまざまな細胞の発生に必須の遺伝子で、ブロンドの髪と関連することは以前から報告されていた。今回、D Kingsleyたちはそれについて詳しく調べ、毛包におけるKITLG遺伝子の発現量が、KITLG遺伝子と別な場所に位置するエンハンサーのわずかな配列の違いにより変化することを見つけた。ブロンドの髪色に対応するエンハンサーを持つマウスは、明るい黄褐色の毛となり、別のエンハンサーを持つマウスは、暗色の毛になった。 今回の成果は、KITLG遺伝子のような必須遺伝子が、髪の色の調節にどのように関与するかを解き明かす研究の先鞭となるだろう。
doi:10.1038/ng.2991
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature
-
生物学:闘争・逃走系の起源Nature
-
材料:接着剤が海洋性軟体動物種の追跡に役立つNature Communications
-
気候変動:海洋での致死的な極端低温事象の強度と頻度が高まっているNature Climate Change