Research Press Release
炎症がDREAMの場合
Nature Immunology
2014年2月3日
炎症と痛みとの関係の基盤が、マスでの研究によって、分子レベルで詳しく明らかになった。
タンパク質DREAMは、疼痛過程での機能は詳しく判明しているが、免疫系での働きはほとんど調べられていない。Chinnaswamy Tiruppathiたちは、DREAMが、細胞内の重要な抗炎症分子であるA20の量を、直接抑制することを発見した。そのため、DREAMを持たないマウスはA20レベルが上昇し、敗血症や炎症性の肺障害に対して高い抵抗性を示し、炎症メディエーターの産生量が低下する。従って、DREAMを標的にした薬剤は、炎症に関連した痛みを和らげるだけでなく、過剰な免疫応答による障害をも軽減する可能性がある。
doi:10.1038/ni.2823
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature