Research Press Release
筋肉疾患におけるオートファジーの異常
Nature Medicine
2010年11月1日
オートファジー(損傷を受けた細胞小器官の分解)の異常が、筋肉の変性疾患である筋ジストロフィーに関係していることが明らかになった。
オートファジーは、細胞成分の代謝回転や損傷を受けた細胞小器官の除去に不可欠である。オートファジー系の異常はさまざまな病気にかかわっているが、筋ジストロフィーとオートファジーの関係についてはほとんど知られていない。これまでの知見では、筋ジストロフィーの一部の型には異常なミトコンドリアと自発的細胞死が関係し、筋肉の変性に結びつくことがわかっている。
ある型の遺伝性筋ジストロフィーのマウスを使って、P Bonaldoたちは、異常なミトコンドリアの残留と細胞死の原因が、筋細胞でのオートファジーの異常にあることを突き止めた。重要なのは、これらの細胞でオートファジーを活性化させると筋細胞が生き残るようになることで、筋ジストロフィーの新しい治療戦略に結びつく可能性がある。
doi:10.1038/nm.2247
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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