Research Press Release
インスリン感受性の脳による調節
Nature Neuroscience
2010年11月1日
脳の特定の型の神経細胞で発現するセロトニン受容体は、肝臓のインスリン感受性を制御することが、Nature Neuroscience(電子版)の論文で報告された。
脳のセロトニン受容体のうち特に2Cというサブタイプは、以前の研究で体全体のエネルギー収支およびグルコース恒常性の制御との関連が示されている。J Elmquistらは、セロトニン2C受容体を欠失した遺伝子改変マウスを利用して、この作用をもたらす神経細胞の性質をさらに深く追究し、欠失マウスが肝 臓のインスリン抵抗性を示すことを見いだした。この抵抗性は、プロオピオメラノコルチン(POMC)を発現する特定の神経細胞群によってセロ トニン2C受容体の発現が回復すると寛解した。POMC神経細胞は、摂食とグルコース恒常性の制御に重要な脳領域である海馬の弓状核にある。
また、セロトニン2C受容体を標的とする抗糖尿病薬は、POMC神経細胞で発現する受容体に十分作用することもわかった。これらマウスでの発見は、ヒトの血糖調節に対する有望な洞察を与える。
doi:10.1038/nn.2664
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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