Research Press Release
天然の情報伝達遮断物質の同定
Nature Immunology
2010年11月8日
免疫細胞の表面受容体gp130を介した情報伝達を止めることのできる分子が同定された。
炎症や抗体応答亢進にかかわる特定のメディエーターは、gp130に結合した受容体を介して情報伝達を行うため、これらの経路は、関節リウマチや炎症性大腸炎など、一部の自己免疫疾患や炎症性疾患の治療介入の標的になる可能性がある。
C Hunterたちは、インターロイキン-27のp28サブユニットがgp130に結合して、この受容体にほかの分子が結合するのを妨げ、gp130の情報伝達能を阻害することを明らかにした。原理証明実験として一時的にp28を発現させたところ、ヒトの多発性硬化症に似た症状を示す実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスモデルの症状が軽くなることがわかった。
doi:10.1038/ni.1957
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
がん:膵臓がんまたは大腸がんの患者において有望な効果を示すワクチンNature Medicine
-
生態学:熱波が熱帯の鳥類の個体数減少と関連しているNature Ecology & Evolution
-
気候変動:ペリト・モレノ氷河の後退が最近大幅に加速Communications Earth & Environment
-
考古学:スペインの洞窟で新石器時代の人肉食の証拠が発見されるScientific Reports
-
気候変動:鉱物資源の不足が低炭素化移行を制限する可能性Nature Climate Change
-
人類の進化:スラウェシ島における初期ホミニンの居住Nature