Research Press Release
【化学】空中に浮かぶマイクロリアクター
Nature Communications
2013年10月30日
ナノ粒子の作製、ナノスケールのコーティングの製造や多孔質材料の設計を行うための環境にやさしい方法が開発された。これは、浮揚させたライデンフロスト水滴中の過熱し、荷電した環境を利用するプロセスで、水だけを溶媒として用いる比較的低エネルギーな方法だ。
熱したフライパンに水を振りかけたときに起こる現象は、誰もが知っている。フライパン上の水滴は、蒸発して、その蒸気の上で浮遊していると考えられている。これが、ライデンフロスト効果の発現だ。今回、Mady Elbahriたちは、この水滴を調べて、水滴が過熱しているだけでなく、強く荷電していることを明らかにした。そのため、この水滴は、「マイクロリアクター」として用いることができ、その内部環境はナノ合成に理想的なものになっている。Elbahriたちは、さまざまな材料にコーティングでき、エネルギー捕集への応用可能性のある、いくつかのナノスケール製品(例えば、広帯域吸収性を有するナノポーラス金)を作製することで、今回開発された方法を実証した。
doi:10.1038/ncomms3400
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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