Research Press Release
古代の草原の拡大を助長した野火
Nature Geoscience
2013年10月21日
800万年前~300万年前にアフリカ南西部全体である種の草が広がったことは、野火と乾燥が増大したことの組み合わせにより促進されたという報告が、今週オンライン版に掲載される。C4植物として知られるこれらの草は、現在のアフリカ熱帯地方では支配的な草種となっている。
Sebastian Hoetzelらは、ナミビア海岸沖で採取された海洋堆積物コアで、過去の火災に対する化学的トレーサーだけでなく、花粉と他の植物体も分析した。彼らは、当時新しく進化したC4植物の出現は火災発生が多く乾燥が増大した時期と一致していることを見つけた。著者等は、より頻繁な野火の発生が、焼失した地域の再生により適していたこれらの草の拡大を助長したと示唆している。
doi:10.1038/ngeo1984
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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