Research Press Release
メタンを食べるスギゴケ
Nature Geoscience
2010年8月23日
メタンを消費するバクテリアは、地球上の泥炭湿地帯で成長するスギゴケと群叢を形成し、湿地帯からのメタン放出を減少させる可能性があるとの報告が寄せられている。泥炭湿地帯は大量のメタン(強力な温室効果ガス)を大気に放出し、その寄与は温暖化した世界では増加することが予想されている。
H Op den Campらは、地球上の泥炭湿地帯で収集されたスギゴケのメタン消費を測定した。彼らは、すべてのスギゴケが、その中で生息しているメタン消費バクテリアとの共生関係によりメタンを消費することを発見した。彼らはまた、スギゴケがメタンを吸収する能力は温度共に増大することも認めている。
したがって著者らは、共生関係が、温暖化した地球における泥炭湿地帯からのメタン放出の予想される増加を相殺する可能性があると示唆している。
doi:10.1038/ngeo939
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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