Research Press Release
日本人の前立腺がんに関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2010年8月2日
日本人の前立腺がん感受性に関連する遺伝的多型について報告した論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。今回の研究は、アジア人集団を対象とした前立腺がんに関するゲノムワイド関連解析として初めてのもので、ヨーロッパ人集団とアジア人集団の間には共通の感受性多型とそれぞれ独自の感受性多型があることを示す証拠が得られた。
前立腺がんは、がんによる死亡原因の上位を占め、アジア人集団における発症率が増加している。中川英刀らは、前立腺がん患者の日本人男性4,584人と健常対照者8,801人を対象として、前立腺がんに関するゲノムワイドな関連解析と追試を行った。その結果、ヨーロッパ人集団を対象とした類似の研究で同定されていなかった5つのゲノム領域が前立腺がんに関連することを見いだした。
doi:10.1038/ng.635
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature