Research Press Release
膀胱がんのリスクに関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2010年3月29日
膀胱がんのリスクに関連する遺伝的多型を新たに同定したことを報告する研究論文がNature Geneticsに掲載される。
膀胱がん(UBC)は、9番目に罹患率の高いがんで、全世界の患者数は約35万人である。UBCの危険因子としては、喫煙、そして職業による特定の発がん物質への曝露が知られているが、UBCの感受性には、遺伝的危険因子もかかわっていると考えられている。
L Kiemeney、K Stefanssonらの研究チームは、ヨーロッパ系のUBC患者4,739人の遺伝学的解析を行い、FGFR3遺伝子近傍の多型がUBCのリスクに関連していることを見いだした。FGFR3遺伝子の体細胞変異(後天的変異)は、低悪性度の膀胱腫瘍に多く認められる。
doi:10.1038/ng.558
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change