Research Press Release
転移を制御するマイクロRNA
Nature Cell Biology
2010年2月22日
マイクロRNAの1つのmiR-9が乳がんの広がりや成長を制御していることが報告された。この知見は、miR-9が将来、乳がんの有望な治療標的となる可能性を示唆している。
腫瘍の広がりを促進、あるいは抑制するマイクロRNAは複数見つかっている。R Weinbergたちは、マウスを使った実験で、がん遺伝子であるMycに直接制御されているmiR-9が、接着タンパク質であるE-カドヘリンの濃度調節により乳がん細胞に侵襲を起こさせることを見いだした。miR-9はまた、血管増殖も促進するので、それによって腫瘍への血液補給が増加する。悪性乳がん患者由来の原発腫瘍ではmiR-9濃度が上昇していたので、この経路はヒトのがんでも重要だろうと考えられる。
これに関連したNews and ViewsでG Goodallは、miR-9が神経芽細胞腫などのほかの種類の腫瘍にも重要である可能性と、発生におけるその本来の役割がどういうものなのかを論じている。
doi:10.1038/ncb2024
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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