Research Press Release
海洋酸性化によるこれまでにない圧力
Nature Geoscience
2010年2月15日
過去6500万年間にはみられなかった海洋酸性化の進み具合は、炭酸塩の殻をもつ海洋生物にこれまでにない圧力をもたらしていることが、Nature Geoscience(電子版)に報告される。
A Ridgwellらは、地球システムモデルを用いて、過去と未来における海洋酸性度の変化を比較した。彼らのシミュレーションによると、海洋の表面は記録が残っている5550万年前の温室効果温暖化事件の時点よりも、より急速に酸性化するということである。同じように、深海の化学的性質がこれまでにない変化を起こすことも予想されている。Ridgwellらは、将来の海洋の化学的性質の変化は、海面および海底に生息する生物を脅かすことになると警告している。
doi:10.1038/ngeo755
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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