Research Press Release
膵臓がんのリスク多型
Nature Genetics
2010年1月25日
膵臓がんの高い発症リスクに関連する遺伝的多型が同定されたことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
膵臓がんは、毎年、世界で合計20万件の新たな症例が出ており、その死亡率は、罹患率とほぼ等しい。膵臓がんと診断された患者で、その後5年間生存する者は、5%に満たない。
S Chanockらは、膵臓がんの遺伝的関連解析としては最大である約4,000症例のゲノム解析を行い、異なる染色体上の3座位において、膵臓がんの高い発症リスクに関連する遺伝的多型を同定した。そのうち1つの染色体上の遺伝的多型は、CLPTM1L、TERT両遺伝子の近くに位置している。この2つの遺伝子は、これまで脳腫瘍、肺がん、黒色腫などほかの種類のがんに関与すると考えられていた。
doi:10.1038/ng.522
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
神経科学:COVIDパンデミックが英国の成人の脳の老化を早めることに関連するNature Communications
-
社会科学:週4日勤務制が労働者のウェルビーイングを向上させるNature Human Behaviour
-
動物の行動:犬のテレビを視聴する習慣は性格によって異なるScientific Reports
-
疫学:欧州における鳥インフルエンザ発生の主な予測因子が特定されるScientific Reports
-
素粒子物理学:CERNで観測されたつかみどころのない物質と反物質の非対称性Nature
-
古生物学:獲物に忍び寄るための古代爬虫類の特殊なヒレNature