Research Press Release
たった1パーセントの材料で高性能太陽電池を作る
Nature Materials
2010年2月15日
使用される材料の量が従来のデバイスのたった1パーセントだけというフレキシブル太陽電池の設計が、Nature Materials(電子版)に報告される。その他多くのフレキシブル太陽電池の設計と異なり、今回の新しい設計では高い光変換効率が実現されている。そのような軽くて効率のよい太陽電池は、車のサンルーフから衣類に取り付けられるデバイスまで、さまざまな応用が考えられるであろう。
H Atwaterらは、高価な半導体材料の使用量を大幅に抑えつつ高レベルの光吸収を実現するために、デバイスにマイクロメートルサイズの微小シリコンロッドを使用している。入射光は、デバイス中のロッド間を何度も跳ね返った後に吸収されることになる。Atwaterらは、光を効率よく誘導するために、微小なアルミナナノ粒子反射体をロッド間に取り入れた。全体的な結果として、利用可能な入射太陽光のうち、最高で85%が吸収される。
doi:10.1038/nmat2635
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化石:最も古く知られている「爬虫類」の足跡Nature
-
惑星科学:月内部の非対称性を示す証拠Nature
-
古生物学:「シカゴ」始祖鳥が、この古代鳥に新たな知見をもたらすNature
-
理論物理学:二体問題を解くNature
-
がん:乳がん治療薬の臨床試験で生存率の向上が示されたものの、がんの消失は限定的であったNature Communications
-
Nature Scientist at Work コンペティションの受賞者の発表Nature