Research Press Release
小児の発育遅延に関連する欠失
Nature Genetics
2010年2月15日
知的障害/発育遅延と先天奇形のある子どもの一部で、染色体16p12.1上の遺伝領域に欠失が見つかったことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。この研究結果は、染色体16p12.1上の欠失が知的障害/発育遅延の危険因子として作用し、二次的な変異があると、より重篤な臨床上の問題が起こるとする「ツーヒットモデル」を裏付けている。
平均年齢において座ることができない、歩くことができない、話すことができないなどの発育遅延は、精神遅滞、脳性麻痺、自閉症スペクトラム障害、ダウン症候群やその他の疾患の一般的な症状である。
E Eichlerらは、知的障害/発育遅延のある21,000人以上の子どものゲノムを解析した。その結果、42人の子どもの染色体16p12.1上に欠失が見つかった。対照群では、14,839人中8人から同じ欠失が見つかった。16p12.1上の欠失に加えて別の染色体異常のある子どもは、染色体異常のみの子どもよりも症状がより重篤だった。
doi:10.1038/ng.534
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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