Research Press Release
熱帯降雨変動
Nature Geoscience
2013年4月22日
熱帯における将来の降雨変動の大部分は地表の温暖化とは独立に起きるということを報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。この発見は、大気中から二酸化炭素を取り除くこと無しに地球温暖化を低減しようと試みている地球工学的計画は、熱帯における降雨変動を減少させることは出来ないことを示している。
Sandrine Bonyたちは、気候モデルシミュレーションを用いて、大気中の二酸化炭素濃度上昇を軽減しなかった場合の21世紀にわたる熱帯の降雨と大気循環に与える影響を評価した。彼らは、地域的な降雨変動の多くは地表の温暖化とは関係がないことを見つけた。その代わりに、二酸化炭素濃度の上昇により引き起こされる大気上下運動の変化が、熱帯降雨変動の大部分の原因となっていることが分かった。
doi:10.1038/ngeo1799
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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