Research Press Release
【エネルギー貯蔵】伸縮自在な充電池
Nature Communications
2013年2月27日
ずば抜けて伸縮自在な電池を作製する方法が明らかになった。適切な材料と変形可能な電気的相互接続を組み合わせることで、300%の可逆的伸縮性が実証された。これは、折り曲げ自在な電子製品の上市にとって重要なポイントとなる可能性がある。この成果を報告する論文が、今週掲載される。
機械的汎用性のある携帯用電子機器を開発するうえで大きな障壁の1つとなっているのが、折り曲げと引き伸ばしに耐え、これまで通りのエネルギー貯蔵性能を確保する電源の設計だ。今回、J Rogersの研究グループは、一連の設計基準によって、この難しい問題を克服した。この設計基準では、軟質のシリコーンゴム層の間に電気的相互接続を挟んで、折り曲げと引き伸ばしが容易にできるデバイスを作製した。この設計には、非接触充電というもう1つの利点があり、このデバイスにプラグを接続する必要がなくなった。
今回の研究で、電池の機能性が向上したことで、ロボットの皮膚、身体に装着する健康管理デバイスなど、さまざまなユニークなデバイスの設計が可能になると考えられている。
doi:10.1038/ncomms2553
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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