Research Press Release
クモの糸の機械的特性をその場で調べる
Nature Materials
2013年1月28日
クモの巣に張られた糸の機械的特性が巣の状態で総合的に解析されたことが、今週報告される。このようにクモの巣をその場で調べることによって、今後、クモの糸の基本挙動、たとえば巣にかかった獲物を捕まえる際、特定の特性がどのように変化するか、に関する理解が深まるかもしれない。
これまでの解析法では、巣の状態ではなく、1本1本の糸の材料特性を調べることしかできなかった。ところがJeffrey Yargerらは、光散乱技術を用いて、クモの巣を構成するさまざまな糸の弾性応答を、変形させたり分断させたりせずにその場で定量化したのだ。
Yargerらは、個々の糸、交差部、粘球で弾性剛性が異なることを見いだした。また、超収縮した糸を詳しく調べることにより、湿潤環境では糸の剛性が高くなることを示した。
doi:10.1038/nmat3549
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
古生物学:小さなティラノサウルスの謎Nature
-
生物学:新しい抗毒素が蛇咬傷から守るNature
-
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
細胞生物学:ホッキョククジラの長寿の謎が解明されるNature
-
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
