Research Press Release

加齢に伴い睡眠と記憶が失われる

Nature Neuroscience

2013年1月28日

Sleep and memory loss in aging

高齢者でみられる睡眠中の脳波減少は、記憶の衰退を示しているとの研究が報告される。この研究は、高齢者では若年者ほどは、記憶が睡眠から利益を受けない理由を説明する助けとなり、高齢者で記憶の維持を増強できるような介入方法を示唆している。 夜ぐっすり眠りにつけば、出来事をよく想起する助けになると考えられている。若い成人での研究結果によると、ノンレム睡眠(レム=急速眼球運動)すなわち徐波睡眠の量は、睡眠中にみられる記憶の統合の程度に関係する。ヒトでは加齢とともに記憶が衰えることが知られており、上記のゆっくりとした脳波の生成に重要な役をする脳領域の退行が加齢に関連している。

Matthew Walkerら研究者は健康な若者と高齢者に、一連の言葉を学習させた。その後被験者の記憶を、言葉の学習直後と一晩寝たあととで調べた。その結果、高齢者の記憶は若者より劣っており、高齢者では内側前頭前野(mPFC)という睡眠中の徐波生成に重要な領域で脳質がさまざまな程度で失われていた。Walkerらの報告は、加齢に伴うmPFC灰白質の喪失が高齢者における徐波睡眠の喪失を告げており、ひいては徐波睡眠の喪失が記憶保持の加齢に伴う衰退につながるとしている。

doi:10.1038/nn.3324

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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