Research Press Release

【生態】吸収された炭素が一部の河川に貯蔵される

Nature Communications

2012年12月12日

ロッキー山脈の上流河川の幅広い谷床の地上と地下には、最大量の炭素が貯蔵されていることを報告する論文が、今週、掲載される。この新知見は、陸上の炭素の急速な下流への放出が、これまで考えられていたように、すべての山地河川で起こる訳ではないことを示唆している。

上流河川には、近傍の植生から河川ネットワークへ流れ込む陸上炭素の大部分が流入している。今回、E Wohlたちは、ロッキー山脈国立公園(米国コロラド州)の上流河川の渓谷に貯蔵された有機炭素の量を推測することで、この河川に沿って生じる炭素貯蔵のタイプを調べた。その結果、この渓谷部分が、河川の総延長の25%に足りないが、総炭素量の最大75%を貯蔵できることを明らかにした。そして、河川による炭素貯蔵が、これまでに研究報告がないが重要な炭素シンクである可能性があると結論づけた。

doi:10.1038/ncomms2274

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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